1989年、GⅡレースである毎日王冠ですが、多くの競馬ファンから「死闘にして名勝負」と呼ばれるレースがありました。
長期休養明けのオグリキャップがターフに復帰し、2戦目に突入。単勝オッズ1.4倍という支持と、ファンからの注目を集めていたのです。

前年、ダービー2着馬だったメジロアルダン、GI2勝のイナリワンなど、申し分のないメンツが集まるなか、期待のレースが幕を空けました。
レジェンドテイオーの大逃げからスタートしましたが、次第に失速。
各馬横一直線に並んだ最後の直線で、オグリキャップが外へ出過ぎてしまい、メジロアルダンとウインドミルが前に出ました。
オグリキャップが馬体を寄せるも、その後ろからイナリワンが出てきて、激しいたたき合いになります。

偏差で競り合い続けながらもつれ込んだ勝負ですが、最終的に勝ったのはオグリキャップだったのです。
激闘を経てオグリキャップはさらに飛躍。天皇賞(秋)2着、マイルチャンピオンシップ(1着)、そして、ジャパンカップ(2着)と、成績を伸ばしていきます。

一方、イナリワンは過激なレースの反動からか、どんどん下降してしまったのです。
このようなレースを経て、オグリキャップはさらに伝説のサラブレッドへの道を歩みました。