3月上旬に行われた中山記念・金鯱賞は、今年の中距離路線を占ううえでも重要なレースでした。
■中山記念
まず中山記念は非常にレベルの高い馬が出走することが多いレースであり、今年もGI馬のソウルラッシュなどが出走していました。
1番人気は単勝オッズ2.8倍のソウルラッシュで、昨秋にマイルCSで人馬ともに初GI制覇を成し遂げたコンビ。ヴォイッジバブルの2着に入った香港マイルからの国内緒戦でした。
2番人気は中山記念挑戦前の時点でダービー以外は勝利していたシックスペンス。スプリングSを勝ち、古馬相手に走った毎日王冠でもしっかりと勝ち切り、久しぶりの中山記念でも安定した走りを見せると思われていました。
3番人気は昨年のディセンバーSを勝ったエコロヴァルツで、2歳時には朝日杯2歳Sで不利を受けながら2着に入るポテンシャルの高さ。ディセンバーSで2歳の8月以来となる勝利をつかんだわけなので、中山記念でも!と注目したファンも多かったでしょう。
4番人気はマテンロウスカイで、昨年の中山記念の優勝馬ですね。
暴露王が見守る中、スタートが切られると、メイショウチタンがハナに立ちます。続くのはグラティアス。少し間隔があいてボッケリーニ、エコロヴァルツなど。
4コーナーをカーブして最後の直線を向く頃には、2番手を走っていたグラティアスが飲み込まれ、デムーロ騎手が騎乗するエコロヴァルツが逃げ粘るメイショウチタンも交わします。
そのままエコロヴァルツが優勝か…と思われましたが、道中内にいてうまく競馬をしたシックスペンスがハナ差交わして優勝。シックスペンスは今回プラス10kgでしたが、これはやはり成長分だったのでしょう。
■金鯱賞
金鯱賞は中山記念に比べるとメンバーレベルが少しは下がりましたが、昨年の天皇賞秋で3着に入ったホウオウビスケッツなどが出走。ホウオウビスケッツが1番人気に推され、2番人気はリステッド競走のアンドロメダSと中日新聞杯を連勝中のデシエルトでした。
デシエルトはアンドロメダSで久しぶりに芝を使われて2連勝中でしたし、3歳時には若葉Sを勝っている実績もあるので、金鯱賞でも勝負になりそうだと考えていた人も多いです。
3番人気は昨年と一昨年の勝ち馬のプログノーシス。金鯱賞とは相性抜群ですし、特に海外GIで見せるポテンシャルの高さがあるので、非常に怖い1頭でした。
4番人気は昨年クイーンCとローズSを制したクイーンズウォークですが、秋華賞と小倉牝馬Sは不本意な成績でした。
スタートすると、プログノーシスがアオル感じ。逃げたのは想定通りデシエルトですが、大方の予想に反してかなりの大逃げ。3コーナーをカーブして4コーナーにかかり、最後の直線に向かいますが、当然この時点でもセーフティーリードは大きく、5馬身程度ホウオウビスケッツを離します。
しかし道中大胆な競馬をした反動かデシエルトはバテはじめ、人気のホウオウビスケッツが抜け出します。ホウオウビスケッツがそのまま押し切る気配もありましたが、外からクイーンズウォークがすごい脚で伸びてきて、ゴール直前で差し切りました。
2025年の中距離路線においてもホウオウビスケッツは昨年以上に活躍しそうですし、強豪馬相手に勝っているので、条件次第ではGIを勝ってもおかしくなさそうですね。
金鯱賞を勝ったクイーンズウォークは、2025年牝馬限定の中距離重賞でよく見ることになるでしょう。クイーンズウォークは良馬場、稍重、そして重馬場の重賞でも勝利していて、さらに右回りも左回りもどちらにも対応できそうですね。